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2026年7月2日 相続・遺言

相続に必要な戸籍謄本の集め方|どこまで必要?費用・広域交付制度を司法書士が解説

相続登記や銀行の相続手続きを始めようとすると、最初に立ちはだかるのが「戸籍謄本の収集」です。「どこまで集めればいいの?」「本籍地が遠くて取りに行けない」——そんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

本記事では、相続に必要な戸籍の範囲・費用・効率的な集め方を、福岡・古賀市の司法書士がわかりやすく解説します。2024年3月に始まった広域交付制度で戸籍集めは大きくラクになりました。その使い方と注意点も詳しく紹介します。

この記事の要点(先に結論)

  • 相続手続きには、被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍+相続人全員の現在戸籍が必要
  • 費用は戸籍謄本450円、除籍謄本・改製原戸籍750円。あわせて3〜10通程度になることが多い
  • 2024年3月開始の広域交付制度なら、本籍地が遠くても最寄りの市区町村窓口でまとめて取得できる(本人・配偶者・直系のみ/窓口請求限定)
  • 集めた戸籍は法定相続情報一覧図(無料)にまとめると、銀行・法務局で何度も使い回せる

なぜ相続で戸籍謄本が必要なのか

相続手続きで戸籍が必要になるのは、「誰が相続人なのか」を公的に証明するためです。認知した子や前婚の子など、家族も知らなかった相続人がいないかどうかは、亡くなった方の戸籍を出生までさかのぼって確認しなければ確定できません。

法務局(相続登記)・銀行(預貯金の解約・名義変更)・証券会社・税務署——どの手続き先でも、原則としてこの戸籍一式の提出を求められます。戸籍収集は、あらゆる相続手続きの「入口」なのです。

どこまで必要?——「出生から死亡まで連続した戸籍」

集める必要があるのは、主に次の3種類です。

種類 内容 手数料
戸籍謄本(全部事項証明書) 現在有効な戸籍の写し 1通 450円
除籍謄本 婚姻・死亡・転籍などで全員がいなくなり閉鎖された戸籍 1通 750円
改製原戸籍謄本 法改正による作り替え前の古い様式の戸籍 1通 750円

戸籍は、転籍(本籍地の移動)・婚姻・法改正による改製などがあるたびに新しく作り替えられます。その際、すでに除籍された人の情報などは新しい戸籍に引き継がれません。だからこそ、死亡時の戸籍から出生時の戸籍まで、一つずつさかのぼって連続で集める必要があるのです。転籍や婚姻の回数が多いほど通数は増え、一般的に3〜10通程度になります。

⚠️ 兄弟姉妹が相続人になるケースは範囲がさらに広がる

亡くなった方に子がなく、両親もすでに他界している場合は兄弟姉妹が相続人になります。このとき「他に兄弟姉妹がいないか」を証明するため、被相続人の両親それぞれの出生から死亡までの戸籍も必要になり、10通を超えることも珍しくありません。収集も読み解きも難しくなるため、専門家への依頼を検討したいケースです。

戸籍謄本の取り方は3つ

① 広域交付制度を使う(2024年3月開始・窓口でまとめて取得)

2024年3月1日の戸籍法改正により、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍謄本を請求できるようになりました(広域交付制度)。古賀市にお住まいなら、本籍地が北海道でも沖縄でも、古賀市役所の窓口で出生までさかのぼる分をまとめて請求できます。

  • 請求できる人:本人・配偶者・直系尊属(父母・祖父母)・直系卑属(子・孫)
  • 全国どこの本籍地の戸籍でも、1つの窓口でまとめて請求できる

⚠️ 広域交付制度の注意点

  • 兄弟姉妹・おじおばの戸籍は対象外(直系ではないため)
  • 郵送・代理人請求は不可。本人が窓口に出向き、マイナンバーカード・運転免許証など顔写真付き本人確認書類の提示が必要
  • コンピュータ化されていない一部の古い戸籍は交付できない場合がある
  • 通数が多いと即日交付されず、後日受け取りになる場合がある

② 本籍地の市区町村へ郵送で請求する

広域交付が使えない場合(兄弟姉妹の戸籍が必要な場合など)は、本籍地の市区町村へ郵送で請求します。請求書・本人確認書類の写し・手数料分の定額小為替・返信用封筒を同封する方式で、1往復に1〜2週間程度かかります。さかのぼりの結果、複数の自治体へ順番に請求することになると、収集完了まで1〜2ヶ月かかることもあります。

③ 司法書士に収集を依頼する

司法書士は、相続登記などご依頼いただいた業務に必要な範囲で、職務上請求により戸籍を代理取得できます。平日に窓口へ行く時間が取れない方、兄弟姉妹相続・数次相続(相続人がさらに亡くなっているケース)などで収集範囲が複雑な方は、収集から専門家に任せるのが確実です。

集めた戸籍を使い回す——法定相続情報一覧図

戸籍一式は、法務局・銀行・証券会社…と提出先ごとに原本の提出を求められます。そこで便利なのが法定相続情報証明制度です。法務局に戸籍一式と相続関係をまとめた一覧図を提出すると、認証文付きの「法定相続情報一覧図の写し」を無料で必要な通数交付してもらえます。

法定相続情報一覧図のメリット

  • 交付手数料は無料(何通でも)
  • A4用紙1枚が戸籍一式の代わりになり、提出がラクに
  • 銀行・法務局・税務署などの手続きを同時並行で進められる
  • 2024年4月に義務化された相続登記(3年以内)にもそのまま使える

よくある質問(FAQ)

Q. 相続手続きに戸籍謄本は何通くらい必要ですか?

A. 被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍が必要で、転籍・婚姻・法改正による作り替えのたびに通数が増えます。一般的には3〜10通程度になるケースが多く、加えて相続人全員の現在戸籍も必要です。

Q. 戸籍謄本の取得費用はいくらですか?

A. 戸籍謄本(全部事項証明書)は1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本は1通750円です。郵送請求では手数料を定額小為替で支払い、往復の郵送料もかかります。

Q. 本籍地が遠方でも戸籍謄本を取れますか?

A. 2024年3月開始の広域交付制度により、本人・配偶者・直系尊属・直系卑属の戸籍であれば、最寄りの市区町村窓口でまとめて請求できます。窓口請求限定で、顔写真付き本人確認書類が必要です。郵送・代理人による広域交付請求はできません。

Q. 兄弟姉妹の相続でも広域交付制度は使えますか?

A. 使えません。広域交付の対象は本人・配偶者・直系の親族の戸籍のみで、兄弟姉妹の戸籍は対象外です。本籍地への郵送請求か、司法書士など専門家への収集依頼を検討してください。

Q. 集めた戸籍一式を銀行や法務局で何度も使い回せますか?

A. 法務局の法定相続情報証明制度を利用すると、「法定相続情報一覧図の写し」を無料で必要な通数だけ交付してもらえます。以後は一覧図1枚で複数の手続きを並行して進められます。

まとめ

相続の戸籍収集は「出生から死亡まで連続して」が鉄則です。広域交付制度の開始でご自身で集めるハードルは下がりましたが、兄弟姉妹相続や転籍の多いケースでは、古い戸籍の読み解きも含めて手間のかかる作業であることに変わりはありません。

当事務所では、戸籍の収集・法定相続情報一覧図の作成から相続登記の申請まで一括でお任せいただけます。まずはご自身の状況を整理したい方は、無料の相続AI診断(約3分・匿名)もご利用ください。古賀市・福岡県内はもちろん、全国どこからでもオンラインでご相談いただけます。初回相談は無料です。